決断力と体力
大阪にいた頃、北新地の鉄板お好み焼き屋に7年ちょいいました。
そこのオーナーはラウンジを経営していた人で、バブルの頃は年商"億"を越えていたらしく、彼女に付いてるお客さんはその当時を偲ばせるくらいには上客ばかりでした。
(検索してみたら口コミだけ残ってました)
大手ゼネコンの社長や重役から、芸能プロダクションの社長、政治家、有名弁護士、小さいけど堅実な商売をしている工務店社長…ああ、有名なからくり師の方もいてました。
なかには、左胸に硬いものを忍ばせてる御仁も。
その、そうそうたるお客様達がくちを揃えて言う言葉がありました。
「ママにまかせるよ」
「ママはなにが食べたい?」
そう、ご自分でメニューを見て食事を決める事は皆無でした。
それはそれで楽なのですが、若い私は彼らを見て「自分の判断で食べるものも決められないとかダセーな」などと、今思うと青臭い事を思っていました。
しかし、おっさんになってきて彼らの事がなんとなくですが理解できてきた感じです。
この方々は毎日毎日、決断する事が仕事ですので。遊びに出た時くらいは精神的にリラックスしたかったのだろうと、そこで気心知れたママに全てまかせてしまえば間違いなく楽しめるという信頼関係があるからこその言葉なのだと。
決断するって体力を消耗するのです。迷えば迷うほど、その消耗度合いは大きくなります。
出来る人ほど、失敗を恐れず即断即決する傾向にあります。
迷ってるヒマがあれば、失敗したとて行動した方が実になる事を経験でわかっているのでしょう。
このママも例にもれず即断即決の人でした。
朝令暮改などは日常茶飯事。
当時は振り回される事に嫌気がさしてましたが、移り変わりの早い北新地では必要な事だったのだと今ではわかります。
あの当時、自分がもう少し世の中を広く見る事が出来ていたら、もっと多くの事が吸収できたのにな~と時々考えたりします。
早起き5日目!